睡眠時無呼吸外来
睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea:OSA)と言えば、病名としてはすっかり有名になりましたが、病態としてはまだまだ解明されていない部分も多く認めます。さて、今回はこの紙面を使って、OSAに関する話題を少々。
肥満はOSAの危険因子としてよく知られていますが、それ以外にも
- 男性
- 加齢
- 喫煙
- 鼻閉
といった、ありふれた事項が危険因子とされています。
OSAの臨床像のなかで、昼間の眠気が特に有名ですが、最近心臓血管系に対する影響に関する知見が多く蓄積されつつあります。
第一に、OSAは血圧を上昇させ、冠動脈疾患や脳血管疾患の危険を増大することがわかってきました。例えば、OSAは高血圧の独立した危険因子であることや治療抵抗性の高血圧患者にOSAが多いことが指摘されています。これらの知見は、高血圧患者の中には積極的にOSAの合併も考慮すべき患者が含まれていることを示唆するのではないでしょうか?また、OSA合併患者では心血管病変の合併や死亡率が高いことが示されています。
一方、心血管病変に対する OSAの治療効果に関する知見として、第一にOSAを治療することによって平均血圧が下がることが示されています。また、治療により頸動脈の内膜肥厚の程度が軽減したことも報告されました。これらの見解に反駁する報告もありますが、OSAと心血管病変に関する今後の進展は注目に値します。
改めて、OSAは心血管病変の診療において重要な位置にあるといえます。
ボールペンとの比較
OSA簡易診断の流れ
当院ではOSAが疑われる患者さんに対して、推奨されている診断手順に従い、まずは簡易診断ツール(上写真、本体はボールペン程度の大きさ)をご自宅で装着してもらってスクリーニングを行い(入院必要なし、3割負担で約4,000円)、さらに必要な患者さんに対して従来のPSG(1泊入院、3割負担で約30,000円)を行う2段階方式を導入しました。
機械の空き状況により対応できない場合がありますので、必ず事前にご連絡ください。
医師紹介
平成14年医師免許取得
- 専門領域
- 呼吸器内科一般、感染症
- 専門医等
- 医学博士、日本内科学会認定医・指導医、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医・指導医、インフェクションコントロールドクター、肺がんCT検診認定医、日本結核病学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、日本感染症学会認定専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本アレルギー学会専門医、臨床研修指導医養成講習会修了、緩和ケア研修会修了
- 所属学会
- 日本内科学会、日本呼吸器学会、日本アレルギー学会、日本感染症学会、日本結核病学会、日本化学療法学会
平成25年医師免許取得
- 専門領域
- 呼吸器内科
- 専門医等
- 認定内科医、日本呼吸器学会専門医
- 所属学会
- 日本内科学会 呼吸器学会