ホーム病院案内当院の取り組み肝臓友の会03「肝臓とくすり 2」…インターフェロン、ラミブジン、リバビリン、アマンダジン

肝臓友の会

03「肝臓とくすり 2」…インターフェロン、ラミブジン、リバビリン、アマンダジン

今回は、B型、C型肝炎の治療薬の説明です。

インターフェロン

現在C型肝炎ウイルスに最も効果を挙げている治療法で、ウイルスの増殖に抑制的に働きます。このインターフェロンというのは、もともと人の体の中で、“風邪”などをひいた時に熱が出ますが、その熱を出すもとになる成分の一つです。従って、人の体の中に出来るもので、風邪のウイルスなどを排除するために作り出される抵抗力の一種です。ですから、インターフェロンの副作用ということが、一時、マスコミで騒がれ過ぎたために、患者さん達に恐怖感を植え付けてしまったというマスコミの罪が挙げられます。
人間の体の中に生み出される自然の薬物ですから、ひどい副作用は少なく、あっても一過性のものなのです。C型肝炎では30~40%の人で効果をあげます。特に、C型肝炎ウイルスの群別で、グループ2の例には有効であることが高率です。最近は肝硬変になった人にでもインターフェロンを投与し、C型肝炎ウイルスが消えた人では肝癌の出現が抑制されることがはっきりしてきました。B型肝炎では、効果が不十分です。

ラミブジン

B型肝炎ウイルスの増殖を抑制します。極めて“キレ”のいい薬です。経口薬剤で非常に使い易い薬です。問題なのは、治療を長く続けているうちに、ほとんどの例で、B型肝炎ウイルスの突然変異した株が増殖してくることです。現時点では、この変異株が出て来ても、肝機能が悪くなる例は多くないようです。しかし、中には少数例ですが、重症化する人がいるようです。この重症化には、インターフェロンを投与することで、回復したと報告している人もいます。
その他、ファムシクロビルという薬も開発されて来て、ラミブジンの効果のない例でも効果を示しているようです。絶対適応となる例は、B型肝炎ウイルスキャリア-の人で、急性に発症し、重症化する人、肝硬変、肝癌へ進展し易そうな人、ではないかと思います。

リバビリン

C型肝炎ウイルスでも、グループ1の例では、インターフェロンが特に効きが悪いのですが、リバビリンという抗ウイルス作用を有する経口薬と併用することにより、効果が著しく向上しています。平成13年の12月より市販されることになりました。しかし、副作用として、貧血を来す点が注意すべきことです。

アマンタジン

現在、インフルエンザAの治療薬として出回っています。C型肝炎ウイルスにも効果があることが判りました。当院でも、このアマンタジンとインターフェロンを併用して治療することにより、グループ1の人でも効果がみられている人が多数います。副作用もあまりないようです。

その他

しゃ血療法やラクトフェリンなども、C型肝炎ウイルスを減らしたり、肝機能を良くするということで使用されています。

2001/9/22 肝臓友の会 勉強会 講演要約

院長 安倍 弘彦


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