ホーム病院案内当院の取り組み肝臓友の会33「肝臓機能障害の身体障害者認定について」

肝臓友の会

33「肝臓機能障害の身体障害者認定について」

いままで身体障害者認定については、視覚障害、聴覚・平衡機能障害、音声・言語・そしゃく機能障害、肢体不自由、心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸機能障害、ぼうこう又は直腸機能障害、小腸機能障害、免疫機能障害がありましたが、肝臓病に関しては認められていませんでした。 肝不全症状の一つである肝性脳症、腹水貯留の治療を繰り返す非代償性肝硬変の患者さんにとっては、週に何度も通院治療する必要があるにも関わらず、医療費の補助がありませんでした。しかしながら、このような患者さんにとって今年の4月から肝臓機能障害の認定(1級から4級まで)をうけることが可能となりました。 ただ、その認定を申請するための条件は非常にきびしく、ほとんどの患者さんは申請の対象にさえ該当しないのが現状であり、条件の緩和が望まれます。まず、肝機能障害の原因に関して、6ヵ月以上飲酒していないのが最低の条件であります。さらに、積極的治療を行っているにも関わらず肝機能障害が改善しないものが条件であり、したがって治療も受けず、家で療養している患者さんや飲酒をしている患者さんは、省かれます。 肝機能障害の認定を申請できる肝機能の数値および症状が決まっており、Child-Pugh分類の合計点数が10点以上あるものです。(表1)そのスコアの合計点は5点〜15点の間になりますが、10点以上が90日間隔で2回以上続くものが申請条件に合致することになります。その後、検査値の数値、過去の治療歴(原発性肝がん、特発性細菌性腹膜炎、胃食道静脈瘤の治療)、原因(B型肝炎、C型肝炎ウイルス)、自覚症状(嘔吐、吐き気、倦怠感、易疲労感、有痛性筋けいれん)等の10項目の該当数によって、肝臓機能障害の1級から4級までに分類されることになります。

即ち、現在、病院で治療を受けていて、Child-Pugh分類の合計点数が10点以上になり、次に必要条件のa、b、c、d、e、f、g、h、i、jの何項目に当てはまるかにより、身障者の1級から4級に分類され認定されることになります。ただ、この認定はすべての先生が出来るわけでなく、資格を有する医師の申請が必要で、当院には自分、安倍院長、梶原先生の3名の資格認定者がいます。詳細は主治医の先生にお尋ね下さい。

2010/6/26 肝臓友の会 勉強会 講演要約
2010/7/30 掲載
副院長兼消化器病センター長 石井邦英


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