15「C型肝炎におけるインターフェロン療法と当院の最新の治療成績 」…アドバフェロン、リバビリン併用療法の当院の治療成績など
甘木朝倉地区はC型肝炎ウイルスの高汚染地区であり、肝臓癌の死亡率も全国で最も高率な地区の一つであります。肝臓癌の死亡頻度の県別の比較をみても福岡県および佐賀県が、毎年1位と2位を占めています。この肝臓癌の原因の80%がC型肝炎ウイルスによるものであります。
一方、C型肝炎や肝臓癌に対する治療法は年々進歩しており、たくさんの患者さんが完治するようになってきました。しかし、C型肝炎を完治できる治療法は現在のところインターフェロンのみであります。健康食品や漢方薬などでは絶対に完治することはありません。
平成13年12月より、新しいインターフェロン(商品名:アドバフェロン)およびインターフェロンと併用することで効果が増大するリバビリン(商品名:レベトール)という内服薬を併用した治療法が導入されました。また。平成15年12月からは週1回の投与で効果があるペグインターフェロン(商品名:ペガシス)が導入されました。
当院は、専門医が選ぶ四ツ星病院にランクされたように、全国でも最も多くのC型肝炎の患者さんに対して、インターフェロン療法を実施している病院であります。平成16年9月までにアドバフェロン療法を31名に、リバビリン併用療法を120名に導入し、9割の患者さんでウイルスの消失を認め、治療が完遂できた患者さんの約7割に著効(ウイルスの持続陰性化:完治)が得られています。
また、従来、難治とされていた1群高ウイルス量の症例においては、45%の著効率が得られており、大学病院などの成績を(20~30%)上回るものがあります。さらに、10ヵ月間でペガシスを30名に導入しており、もうすぐ効果が判定できそうです。
2005/5/21 肝臓友の会 勉強会 講演要約
内科長 石井邦英