ホーム病院案内当院の取り組み肝臓友の会10「C型肝炎におけるインターフェロン療法の治療成績(当院)」…アドバフェロン、リバビリン併用療法

肝臓友の会

10「C型肝炎におけるインターフェロン療法の治療成績(当院)」…アドバフェロン、リバビリン併用療法

最近は、マスコミにおいても、肝臓病の治療や食事療法について盛んに取り上げられていますが、健診にみえる成人の4人に1人の割合で肝機能異常が指摘されています。その中で最も増加してきている原因が、肥満や成人病(糖尿病、高脂血症)に伴う脂肪肝であり、アルコール多飲によるアルコール性肝障害であります。このような肝障害を合併しないためには、正しい食生活をおくることが最も重要であります。
また、C型肝炎や肝臓癌に対する治療法は、年々進歩しており、たくさんの患者さんが完治するようになってきました。そのためには、十分な経験を積んだ肝臓専門医のもとで、治療する機会を逃すことなく、最先端の治療法を受けることも重要であります。

当院は、専門医が選ぶ四ッ星病院にランクされたように、全国でも最もC型肝炎に対して、インターフェロン療法を実施している病院であり、その完治率(ウイルスの持続陰性化:著効率)も大学病院の成績を上回るものがあります。また、肝硬変の患者さんや肝癌治療後の患者さんにも、病態によってはインターフェロン療法を導入して良好な成績を治めています。

2001年12月より、遺伝子組み換え技術で作成された新しいインターフェロン(通称、コンセンサインターフェロン:アドバフェロン療法)、およびインターフェロンと併用することで効果が増大するリバビリン(レベトール)という内服薬を併用した治療法が導入されました。さらに、2002年4月からは、インターフェロン投与期間が6ヵ月の制限が撤廃されました。

当院では、現在まで、アドバフェロン療法を26名に、リバビリン併用療法を84名に導入し、ほとんどの患者さんでウイルスの消失を認め、約7割の患者さん著効(完治)が得られています。その中に70歳以上の患者さんが10人と約1割に認められるのも特徴ですが、著効(完治)には若い人と特に差を認めていません。

この後は、週に1回の投与で効果があるペグインターフェロンの登場(平成15年12月頃)、リバビリンの投与期間の延長、そして、ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法の導入(平成16年12月頃)などの治療法が行えるようになります。その結果、今まで効果が無かった患者さんにおいてもC型肝炎の完治率が高まることが期待できます。

これからも、C型肝炎の患者さんを一人でも多く、完治できるように、肝疾患の程度が進行しないように、肝機能が悪くならないように、あるいは、肝癌が合併しないように治療を続けていくつもりです。

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    アドバフェロン療法の治療成績

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    リバビリン併用療法の治療成績

2003/9/27 肝臓友の会 勉強 講演要約
内科長 石井邦英